82歳の男性から電話がありました。私のメンターの社長さんです、熱が出て 夕方に近くのかかりつけのクリニックに行きましたが、インフルエンザはマイナスで、特に診断はされずに帰宅されました。私の大変お世話になっている社長であり、午後11時半に電話がかかってきました。信頼されている証です。「39度の熱がある。どうしようか」ということでした。症状を聞くと、喉の痛みや咳、腹痛もなく、また尿路感染症を疑うような症状もありませんでした。熱だけなので、明日もう一度近くのかかりつけの先生に見ていただきたいということで電話が終わりました。朝方電話をしたところ、熱は38.4°cであるが、これからかかりつけの先生に行くと言われました。そしてそのクリニックでインフルエンザと診断されました。確かに昨日の電話で話を聞いていると鼻声であったので、感染症のような症状があったのではないかと思われましたが、問診だけでは病気の特定をすることはできませんでした。
インフルエンザの発症早期に検査(主に迅速抗原検査キット)を行うと、実際は感染していても陰性となる「偽陰性(ぎいんせい)」になる可能性が高くなります。
これは、インフルエンザのウイルスが体内で十分に増殖し、検査で検出できる量に達するまでに時間がかかるためです。
🌡️ 偽陰性になりやすい時期と検査の目安
一般的に、インフルエンザの迅速抗原検査で最も信頼性が高くなるのは、発熱や症状が出てから12時間から24時間以降とされています。
- 発症直後(特に6時間以内):
- ウイルス量が少なく、検査の感度(陽性となる確率)が低くなります。
- 発症から12時間以内では、陽性となる確率(感度)は30%〜60%程度という報告もあり、偽陰性になりやすいです。
- 発熱から12〜24時間以降:
- ウイルスが体内で増殖し、検出できるレベルに達するため、検査の感度が70%〜90%程度と最も高くなります。
そのため、熱が出た日の夕方に検査をして「陰性」でも、翌日再検査をすると「陽性」になる、というケースは珍しくありません。
💊 早期診断と治療の重要性
ただし、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)は、発症から48時間以内に服用を開始することで最も効果を発揮するとされています。
そのため、偽陰性の可能性がありながらも、早期に治療を開始するために、医師は以下の要素を総合的に判断することがあります。
- 臨床診断: 症状(高熱、関節痛、倦怠感など)や周囲のインフルエンザの流行状況
- 濃厚接触の有無: 家族などにインフルエンザの感染者がいるか
検査が陰性であっても、上記の状況からインフルエンザが強く疑われる場合は、医師の判断で臨床診断として抗インフルエンザ薬の投与が開始されることもあります。
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🦠 1. インフルエンザウイルスの種類と特徴
インフルエンザウイルスには主にA型、B型、C型があり、ヒトで毎年大きな流行を引き起こすのはA型とB型です。
| 種類 | 症状の特徴 | 変異・感染の傾向 |
| A型 | 高熱(38~40度)、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が激しく急激に出る。 | 変異しやすく、ヒト以外(鳥、豚など)にも感染する。パンデミックの原因となることがある。 |
| B型 | A型ほどの高熱は出にくいが、発熱がある。下痢や嘔吐などの消化器症状を伴うことがある。症状が比較的長く続きやすい。 | 変異はA型ほど頻繁ではない。主にヒトに感染する。 |
| C型 | 症状や感染力がA型・B型に比べて弱く、軽い風邪のような症状で済むことが多い。 | 一度感染すると長期の免疫ができる。 |
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🧬 2. 潜伏期間と感染経路
- 潜伏期間:
- 通常は**1〜4日間(平均2日間)**です。
- 感染経路:
- 飛沫感染: 感染者の咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含んだ飛沫を吸い込むことによる感染。(主な感染場所:学校や職場など)
- 接触感染: 感染者が触れたドアノブ、手すりなどに付着したウイルスを、別の人が触り、その手で目や鼻、口の粘膜に触れることによる感染。
- 感染力のある期間:
- ウイルス排出は、症状が出る1〜2日前から始まります。
- 成人の場合、一般的に発症前日から発症後5〜7日間は感染力があると考えられています。特に乳幼児は、発症後10日以上にわたってウイルスを排出し続けることがあります。
💊 3. 治療薬の種類と効果
インフルエンザの治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬が用いられます。症状が出てから48時間以内に服用を開始することが推奨されています。
| 薬の主な種類 | 投与方法 | 服用の特徴 | 主な効果と作用 |
| タミフル | 内服薬(カプセル) | 1日2回を5日間服用。 | ウイルスが細胞から外に出るのを阻害する(ノイラミニダーゼ阻害薬)。 |
| リレンザ | 吸入薬 | 1日2回を5日間吸入。 | タミフルと同じ作用機序。 |
| イナビル | 吸入薬 | 1回吸入で治療完了。 | タミフルと同じ作用機序。 |
| ゾフルーザ | 内服薬(錠剤) | 1回服用で治療完了。 | 従来の薬とは異なる作用機序で、ウイルスの複製をより早期に阻害する(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬)。 |
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💉 4. 予防接種について
- 効果が発現する時期:
- 接種後、抗体が十分にできるまでに約2週間かかります。
- 効果の持続期間:
- 一般的に約5か月間持続するとされています。
- 最適な接種時期:
- 日本での流行のピークは通常1月〜3月頃であるため、10月〜12月上旬に接種することが推奨されています。
- 効果:
- 発症を予防する効果(50〜60%程度軽減)はもちろんですが、最も重要なのは重症化や合併症(肺炎、脳症など)を防ぐ効果です。特に高齢者や基礎疾患を持つ方には重要です。
インフルエンザは突然重い症状が出ることが多いため、高熱や全身の倦怠感が急に現れた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

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