睡眠

睡眠の状態が良い人は、平均寿命や健康寿命が長くなるとする研究結果が複数あります。
特に「睡眠の規則性」（毎日決まった時間に寝起きすること）が睡眠時間よりも死亡リスクに強く関係しているという米国の大規模研究があります。規則正しい睡眠リズムの人は不規則な人と比べて、全原因死亡リスクが20〜48%低く、がんや心血管疾患に起因する死亡リスクも大幅に低下しています。こうした効果は年齢や性別、生活習慣の違いを考慮しても統計的に有意とされています。これは体内時計（概日リズム）が整うことにより、ホルモン分泌や血圧、血糖値などが正常に調整されるためと考えられています。
また、良好な睡眠習慣を持つ人は全体の死亡率が約30%低く、心血管疾患やがんなど特定の疾患による死亡も減少し、男性で4.7年、女性で2.4年の平均寿命延長が見られたとの報告もあります。良い睡眠とは、十分な睡眠時間に加え、質の高い快適な睡眠を指し、これが心身の健康、生理機能や生活習慣病の予防に役立つことがわかっています。
逆に、睡眠不足や不規則な睡眠は体内時計の乱れ、生活習慣病のリスク上昇、精神的健康の悪化を招き、寿命や健康寿命に悪影響を与えることが指摘されています。
したがって、睡眠の状態が良い人は平均寿命や健康寿命が長くなるというのは科学的に裏付けられた事実です。特に、規則的で質の高い睡眠を意識することが健康長寿に重要と言えます。
簡単にポイントをまとめると：
• 睡眠の「規則性」が非常に重要で、不規則な睡眠は死亡リスクを高める
• 良好な睡眠習慣は心血管疾患やがんによる死亡リスクを下げ、平均寿命を数年延ばす効果がある
• 良い睡眠は体内時計を整え、ホルモンや代謝を正常化し、生活習慣病を予防
• 睡眠不足や質の低い睡眠は寿命や健康寿命を短くするリスク要因
睡眠の状態を良くすることは、寿命と健康寿命の延長に直結する重要な要素です。